詩の日めくり 二〇一七年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 

ヴァリエーションは無限である
もちろん
言明命題的な言述のみに限らず
あらゆる言述の組合せは可能で
それの組合せが
芸術作品を成り立たせているのであるが
この記述は
もっともシンプルな系についてのみ語っている
なぜ
わたしたちの言述は
精密に語ろうとすると
あいまいになるのか
当然なのよ
ということ
言述にあいまいさを与えないでおくには
必要条件かつ十分条件になるように
言述すればいいのだけど
それは同一律を守りながら
ということになるので
結局のところ
同語反復にならざるを得ない
しかし
文学は同語反復でさえ
いや
文学に限らない
視覚芸術
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