徒長の夏/あらい
導火線をちらつかせた犬歯
はてしない蒼は向日葵に覆われ
希望に呑まれる
霹靂
どこまでも空をわたり
たとえ
海と絆いでしまえば 茎は
谷と裂いてしまえれば 枝は
踏み入れた
一鈴は、
冷やかし加減で
打ち上がったものも
胸鰭を撫で
足かせを這わせ
服毒した、夜風に 眠れ。
偽薬の分だけ 耳をすませば
誤解を解く方法で
庇に隠れ
愛されたかった
灯台守と
確かに 見えるだろうか。
土踏まずのパラダイムを
繁殖させ
食い散らかしてしまう
貴方も貴女も
彼方を輝らしていて
所詮雑木林のパペットと
没してゆくということ。
卵管に閉じこもった朧月夜は
きっと啼いてくれると。
ヴェルヴェットの宣教師
潜水艦で縫い散らす
その繭の中で惑う、
そして
それから
どうしても
鱗の数だけの
再生を促される
容易さを、命に 代えて行く
つまり
はなはさかずとも
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