暇つぶしによる暇つぶし/帆場蔵人
 
"華麗に終わるはずもない、そんな末路もしかたない人間だもの"
 靴を揃えて、
 
(やさしい歌よりも悲鳴が好まれるなら
 かなしみになけ、朝告げ鳥を抱きしめ
 盲いた夜は眼を瞬かせやってくるのだ)
 もう擦り切れ、穴が靴下にあいた、あぁ、穴子食いてえ
(その足にあう靴と踏み締めるための大地
 その手にあう水かきと磨かれた銀の鱗が
 その頭にあう鶏冠の赤を反射してくれる)
 コンビニで靴下買えばよかった、残金三百一円也
(楽隊の音に合わせて夜の皺に入り込むなら
 知れ、識るのだ、叫び、報らねばならない
 全てがとても運が悪くて、とても
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