それは猫だった 2/RAVE
 
た靴下を掴むかのように
仔猫の首を掴み上げると
そっと段ボールへ入れた。
私は主人に病院に連れていくよう伝え
家族連れにも保護する事を伝えた。
奥さんは私達の自宅がアパートなので
動物を飼えないんじゃないかと心配してくれていたが
私は今後の事も考えず
なんとかしますと笑顔で返答した。

こうして私達は
12月頭の寒い昼下がりに
仔猫と出会った。
仔猫にとっても
運命が大きく変わった瞬間だったに違いない。

私はこれから起こる事柄は
キラキラと光り輝いているに違いないと
胸を躍らせながら
目的地に向かった。
幾度となく通ってきた退屈な道は
そこには無かった。
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