雲海/山人
板があるのだが、そこから眺める福島県側の町並みに雲海が発生するのである。
十一日目、九月二十五日、この日は約三時間の作業で終わる予定であったが、そこまではきつい登りの連続であり、作業開始時にはすでに疲労困憊となっていた。しかし、刈払い機は従順に活動を開始し、まるでそのマシンに操られているかのように私の体は自動筆記のように動いていて、ぐいぐい刈り進むことができた。
二時間四十五分刈り、すべて終了となった。
雲海の事だが、九月二十日は見事な雲海だった。そして二十一日も稜線を流れる様は心をとらえた。
日々の怒りや、不条理を呪う気持ちが一瞬だけすべて消えてしまう瞬間だ。そんな時、私はいつも少年になる。
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