雲海/山人
 
なっており、そこの部分は登山道除草は除地となっている。なので対象部分の登山道まで刈り払い機を担ぎ、ひたすら登ることになる。その間、山道は九十九折りとなっていて、さして急ではないが、開けた場所に行くまでの間はひたすら我慢の登りとなる。なにを考えるでもなく、いつの間には体は暑くなり、汗の雫が落ち始める。それをひたすら数える。開けた場所に行くまでに、どのくらいの雫を地面に落とすのだろうか。たぶん、百は行くだろう。実に下らないことだが、そんなことを楽しみながら、いわば苦しみを楽しむ術とでも言おうか、変態的とも言えよう。汗はおそらく眉に集まり、そこからその都度落下していくのだが、起伏のある所では、連続で汗粒
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