大岡信の評伝について/……とある蛙
 
べきであろう。
 そこから連句、連詩の世界に大岡は注目する。

連詩における規則は個人の才能を圧殺するのでは無く、関係者との関連で個人の才能に害を与えないように整理するための規則として捉え直した上で、共同作業としての芸術に消化させようとしている。戦後(このような言葉も雰囲気も良く理解していないが、)、いや、明治以降、個も拡充、個を見直すことこそ文学としていたような日本文学の方向性とは異なる芸術感を持って芸術感を捉え直そうとしている。
 大岡自身、和歌、古来の歌謡、短歌俳句などの伝統文学の系譜の先に現代詩も置こうとしている。
 そこに連詩の思想も生まれてくる。

 と言ってしまうと難し
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