顛末/墨晶
ました」
オレは誰の眼も見ることができなかった。誰の眼すら見る資格なんてなかった
醉っぱらいの末路がコレなのだと悟り
見上げると、一度も姿を見たことのなかったアパートの周圍の住人が
窗からわたしを見下ろしている
「えーと、この後、警察さんが來て全く同じ質問をすると思うんですが、お答えいただいたことをそのままお答えして頂ければ、それで終わりとなります」
「わかりました、お騷がせしました、すみません・・えっ!」
「はい?」
「あなた方、どちら樣?」
「あ、消防です」
オレは救急車に三囘乘ったことがある
自?未遂一囘と心臟疾患で一囘だ
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