志向―在る/ゼッケン
 
のついたダイナマイトが
降りるシャッターをぎりぎりでかわして窓枠の向こうに消える
内側から吹き飛んだ壁から侵入して
びくともしていない50キロの金庫をおれは担ぎ上げる
筋肉がおれの中に快感を放出した
真昼の繁華街ではあらゆる種類の警報音が錯綜している
サイレンと悲鳴と火災を知らせるアラーム
ジャンジャンバリバリッ ジャンジャンバリバリッ
若い男が婆殺しをする場合、それは経験を積むことへの嫌悪だ
経験は同じ顔をしているからだが
経験と同様にダイナマイトも選り好みをしない
おれとダイナマイトは等価交換される対象だ
おれはマンホールの蓋を引きずりあげる
張り巡らされた非常線の外
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