光を避け/ホロウ・シカエルボク
らそうなるのだと最近知った、「川を下る」とよく言われるが、あれは「海へ上る」と言った方が正しいのかもしれない、少なくともその時の俺にはそう思えた、まあ、ただの言葉遊びだ、それでなにかが変わるわけじゃない、けれど、イマジンには必ず、あらゆる方向からの表現があるべきだ、どうしてみんなああも、テンプレ通りの言い回しが好きなんだろうな?舞台には舞台の、ドラマにはドラマの、音楽には音楽の、ウンザリするほど繰り返されたフレーズ、きっといまは、自分で考えることなんて時代遅れなんだろう、大昔から、確固たる共通概念に手を引いてもらうだけの世界、そんな場所で俺が生存している理由、こうして、詩を書き続ける理由、昔はそんなことが俺を立ち止まらせていた、どうしてこんなことが、どうしてそんなものが、と…けれどそんなことについて考え込んだところで仕方がないのだ、原因が、理由がどんなものでも、動きを止めなければ必ずなにかしらの結果に辿り着く、その場所で今度はもう一度行く先を考えればいい、俺は部屋に戻ることにした、数時間が過ぎた、あの鋭角な光線が、俺を狙うことは少なくとももう今日はないだろう。
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