休養/山人
がらだ。同僚と笑い話の中でよく言い合う事だが、虫はとにかく暑さに強い。アリはもとより、こういったアブや蝶、甲虫類。暑さに強いのではなく、むしろ快適ですらあり、活動しやすい時期なのだろう。蝶など、のんきに手の甲の汗を飲んでいる。そんな、虫たちの営みを眺めながら再び水を飲む頃、次第に体温は下がり、汗も収まってくる。そのタイミングで作業再開となる。
今日も単独で請け負っている除草作業に行くべきかと軽く悩んだが、体は一方的に拒否していた。止めとけと。
外ではキリギリスの類と、エゾゼミだろうか、とにかくあまりうるさくない程度に鳴いているのだが、残酷なほど聞きなれた音だったりする。そこに時折ホオジロが凡庸な鳴き声を散らしているのだが、それが痛い。
今日は、温厚な私の体内都市が育まれているのだろうか。できれば一日くらい汗を流さない日があってもいいだろう。君らもたまには鳴くのをやめたらどうなんだ?
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