ユグドラシル/あらい
低い窪みの中心に転げたもの、もう這い上がることも出来ない
気づけばそこにいて、何処から来たのかも分からない
その地に根を張り 雨風にて、凌ぎ、それだけのものであった
というのに素知らぬ風は惑い込み 同じく私も首を傾げた
溢れるものはなんであろうと、汚泥に埋もれる我が身であったか
波に拐われたのだ、あのときに マグマに呑まれたと、そのときは
座標となる躰が、しずかに、未来を受け容れた時
わたしは 溺れていたのだと、振り返っては 手を差し伸べる
始点を定める 後にも、先にも、道は見当たらない
暗がりの中の光を帯びるのは あなただけだと
迷いなく、開けて見える気がしただけ。今と亡びるときに。
過去であったか未来であったか。ただのうつつ、真っ直ぐに貫ける
誰かを覗く 空の彼方と深奥に敷く おおつぶの種子、吾らの源
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