夢うつつなり/こたきひろし
 
冷たい手のひらに
冷たい雨を降らせてた

死ぬなんてばかばかしいけれど
生きていくのは
それ以上でもそれ以下でもない
ように思える

ある夜
歓楽街の暗がりで
オンナは濃い化粧で立っていた

何か買って欲しいものがあるらしい
死ぬなんてばかばかしいけれど
あきらめつかないからだろう

男はそれをシカトして
正規の店で
女性から
性だけを切り取り
買った

何も悪くない
何も間違ってない


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