千年風化/帆場蔵人
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いつか風のあきらめが訪れた
としても僕らが滅びたあとで
なにも伝わらないから頬をつたうのだ
アーガイル柄の床の軋み
骨格があちらからこちら
誰だってそうなんだろう
標本になるまで踏まれた
現実にだれもが宿を借りているから
マンホールにだれかがそこにすんでいて
ホールケーキが齧りすてられるばかり
あきらめと痕跡、喰い散らかされた葉っぱ
からのぞく水玉模様の水たまり歩く蝸牛は
忘却に閉じたまなじりを二枚貝のかたわれ
が偲んでいる、砂のなかはあたたかすぎた
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ひろいあげてください、ふりはらいながら
そのしろさがか
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