日曜日の処理場/空丸
自分をいい人間だと思ったことはない
薄っぺらいし 騙し騙し 取り繕ってきた
でも たまには僕の鼓動に合わせてくれないか
と甘えている間に
犬が餌を強請る。
小鳥が目を覚ます。
小さな島の争奪戦が始まる。
猫が丸く眠る。いい度胸だ。
今日は金曜日だったんだ
月が綺麗だ 否、美しい そんな時ぼくはどん底だ
早起きした 街は待機している ぼくは寝不足だ
きょろきょろしながら手を引かれて歩いていた
犬の散歩と同じだ ただ母の手だった
なぜ こんな幼い頃の一コマを思い出すのか
きょろきょろしな
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