147号編集後記/たま
の
ですが、定年後も雑用の多いわたしは、気にはしつつも筆を
取ることができなかったのです。
数年ぶりに絵筆を手にして、広々とした(といっても二畳
半です)書斎で、同僚ふたりの似顔絵を描きました。パソコ
ン相手の仕事(執筆)は肩が凝りますが、悪戦苦闘はしても、
絵筆を持つ仕事はふしぎと肩が凝りません。それはきっと、
わたしの心が、喜んでいるからだと思うのです。それでわた
しは気付いたのです。畑仕事は肩が凝りません。ということ
は、わたしにとって、絵を描くことも、畑仕事も、心の喜び
だったのです。
さて、今年のわたしの詩作は、心の喜びを伴う仕事となる
でしょうか。詩作の喜びなんて、もうすっかり失くしていた
気がするのです。それはたぶん、この辺りで、初心に還らな
ければいけないという、天の声かもしれません。
三十五年余り所属する『新○魚』に巡り会ったころのわた
しの喜びを思い出し、できることであれば、絵筆を持つよう
に詩を書きたいなと思うのです。
(た)
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