メーテルがねむる冥王星のしんとしずまった氷の平原に/道草次郎
ぜんぶかなしい
みようによってはぜんぶがです
メーテルがねむる冥王星のしんとしずまった氷の平原にみんないる
そうしてひとつずつの青白い炎がぼおっと点って
それらはまじわらない
ひどくさみしいと人は喉がわらいます
わらったらそのとこから花が咲き
その花は素敵に千年はもちます
もちますという花の幻魔ですそれは
みんな
めいめいのみんなのなかのみんなですから
接線はありはせず
メーテルは
おもえばいきているのが楽しそうではない
てつろうもしゃしょうさんも
いきてはいない
そうです
ぜんぶが
哀しい
みようによってはそれらぜんぶが
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