詩の日めくり 二〇一六年七月一日─三十一日/田中宏輔
弁当を買ってきた。
二〇一六年七月十一日 「文学経験」
20代と30代は、世界文学全集を、いろいろな出版社で出ているものを読みあさっていた。40代になり、SFの文庫本の表紙がきれいなことに気がついて、SFにのめりこんだ。ミステリーとともに。50代になって、純文学とSFの比重が同じくらいになった。
二〇一六年七月十二日 「煉獄効果なのだろうか?」
転位
一つの象徴からまた別の一つの象徴へ
夜がわたしたちを呼吸する
わたしたちを吐き出し
わたしたちを吸い込む
夜が呼吸するたびに
わたしたちは現われ
わたしたちは消滅する
これは比喩ではない
夜
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