詩の日めくり 二〇一六年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
とが書かれた章を読み終わったところ
アレナスの本はすべて読んでいたので
アレナスがどんなものを書くか知ってはいたが
最期に自殺したことは記憶になかった
その作品があまりに強烈な生命力を持っていたからか
自殺するような作家だったとは思いもしなかったのだ

持ってる本で
一番手近なところにおいてある
『夜明け前のセレスティーノ』に手をのばして
解説を読むと自殺したことが書いてあった
読んだのは
そんなに前ではなかったし
ユリイカの特集号も持っているし読んだのに
やっぱり生命力のずばぬけて傑出した作家だったから
自殺したことを読後に忘れさせてしまったのだろうか
47歳だ
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