パントマイム朱線/あらい
 
               錦織り成す細石に思いを馳せる

  少しばかり避けたカアキのスカートの依り代から、
黄泉の底が溢れている。
     痴れを紡いで路肩に色の納める、
         死神たちの養生処には決まって
            愛の亡い、
            真実を受け入れる空の器が潜んでいた。
「見上げなさい」
        と黒い羊が毛刈りを致されている 
            夏のさかりの香りがする
      花火が満開に咲き誇っていらっしゃる
    硝子戸の天秤は永遠を鳴らす時計のように、
             振り子を強請
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