神経組織の夢/ホロウ・シカエルボク
 

夜を埋め尽くす雨音、夢は断続的に切り取られ、現実は枕の塵と同じだけの…薄っぺらい欠片となって息も絶え絶えだった、寝床の中で、やがてやって来るはずの睡魔を待ちながら、もう数時間が経っていた、かまわない、と俺はひとりごちた、眠れないことに悩むほどもう子供じゃない、小さなころからそんなことは幾度もあった、甲状腺を壊したときなんかもうまったく眠りなんてものとは程遠い状態で、真夜中に墓地ばかりの山に登って一周したりしたこともあった、俺はある意味で眠り方を忘れる天才だった、何度出来るはずだと信じてトライしてみたけれど、いつだってそれは失敗に終わった、眠れない夜には、眠る必要がないのだと思わなければまた同じ
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