LIFE/津煙保存
 


カップ麺とパンと珈琲のわたしの荒い解像度
アルコールと肉とスナック菓子の同僚のサイフと体を思う
半年前に店員のおじさんは割引の始まりを教えてくれた
甲高い声で客と掛け合ったパートのおばさんも消えていた

激しい夕立が通り過ぎるのをみんなで待っていた
突風の吹き荒れる嵐の夜は街の暗闇に眠った
ここから歩いていくわたしのつたない暮らしのそばに
つたない小さなわたしの日々をともにした

ベランダから望んでいた青空に栄えていた四つ葉マーク
近隣にそびえ立つマンションの頭をしのいでいた
終電間際には勤め人たちも駅やバス停からやって来た
一月後の閉店は扉の張り紙で初めて知った

テナントはビニールに覆われテーピングにまみれ
国道を走り抜けるバイクのエンジン音を吸い込んでは
薄紅色の外壁には排水溝の隅で育つ名を知らない緑の植物
隣の花屋の屋根と肩をならべようとして






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