不可逆の森/
宣井龍人
森は茫然と立っている
差し込む陽射しに年老いた裸身を晒す
来る日来る日は雑然と降り積もるもの
過ぎ去った日々だけが温かい寝床だ
森に佇む独りぼっちの木々たち
無表情に見合いながら黙り込む
微かな息遣いだけが森を赤らめる
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