メモ(つかうのこと)/はるな
 
。しばらく食べられずにいたそのあとで、大きな物語にはとても手が出ない。でも美しいものは、しばらく遠くでみている。そのあいだに、まちなかの看板や、背表紙の題名やなんかから、少しずつ文字を読んでいく。読んで、考える。いまは図書館で借りてきた花の図鑑を読んでいるところ。花言葉は、花名の由来が載っていて楽しい。ポストに入っていたちらしもみる。ホームセンターやピザや水道修理のちらしなんかを。ざらざらしたちらし、つるつるしたちらし、ペラペラしたちらしを分けてみたりもする。そしてみ終わったら捨てる。
心のなかでは、強くやさしくありたいと、また、そういうふうに体を使うことができるはずだと思っている。もうすこし高く跳べることができれば、ということとそれは繋がってて、だから、光が揺れたり跳ねたりするたびに泣いてしまうこととも、絶対に繋がっているのだ。
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