無題2/道草次郎
 
線香花火の
最後のようだった
なにが
なにもかもが

水になり
春をこえ
こんなところにいた

なにかを
必死で掻き集め
どこまでも
気まぐれだった

毎日帰還して
原子表を丸めては星をみた

明方カラスと話した
カラスは
喋らなかった

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