Delete/TwoRivers
 
削除しても削除したという事実だけが
追加されていくわたしにおいて
忘却さえも記憶の一部となる

無表情の女が追いかけられて
空回りしていく足元

もうだめだと思ってからの記憶は
今日も削除されている

駆け抜けた深夜
一日が終わる朝

もう安心していい
わたしはノイローゼだから

枕元の細い糸のように
確かな道筋はつながっている
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