雉の声/
道草次郎
雉が鳴いている。
雉にとって鳴くことと同じくらい当然のことを、ぼくは、今日しただろうか。
タイヤ交換をした。何人かに電話を掛けた。ラティスフェンスを組み立てた。詩も書いた。
雉の鳴き声は、あまりにも、空の下で不動の位置を占めていた。
たしかに、認める。
人間のふりをするので精一杯だった。
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