未詩集2/道草次郎
「水の気持ち」
とてもよわい
なんにもできない
雨にザーザーふられ
なんども
なんども
うなだれるしかない
雨があがったら
ころころと珠のような
らくるい
土は
ほほえみ
水の気持ちは
花となる
「あさはいずこ」
朝が
何処にあるのか
それが
いまだに分かりません
深夜
何かがうなっています
朝を
さがすわたくしは
丸まる雛鳥
無花果のような夜に
ぶるぶると
震えているばかりです
「味が」
書きたいことがあるのに
書くことが美味くない
書きたいことがないのに
書くことが美味い
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