ブルームーンの流れる河/中田満帆
た接続語がつまらなそうに、
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幸福論が逃亡した夜がおれのなかで伝説のように枯れてしまう 競技用のトラックを歩きながら、バイカーたちが 世界の終わりをみずから創りだすのを見ていた なぜ唇は青いんだ 青果物の検品中に男が、自身の皮をむいてしまった なかには蜜柑がつまっていた たぶん、映画の仕草があまりに真実で、
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ブルームーンの流れる河は、駅まえで終わる みんなで撰んだ神がひとり気に喰わないといい、シクラメンを植えるひと あるいは壜を撒くひと すべて淋しく解れゆく夜ならいいとかぼやき、星を待つひと ぼくは、と駅員は語りかける 「どうせなら、すべて焼いてきみを犯したい」 舌が膨張するまで待って、
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