21年春・自由律俳句/道草次郎
 
春風にこのヤケの空もってかせたい

脳の湖底へ春がするん

手枕痺れていてもその儘の骨肉

穴が無くとも穴と化す貘(ばく)の空

おんがくにすくわれたるたましひよももとせの君君君

心をば弄り尽くして口実葵(ひまわり)だよ

歯噛みの舌での雑巾絞り気分

しんでもいきてもあららかうららか羚羊(かもしか)の糞

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