沓掛の小道/妻咲邦香
 
本当は優しい言葉でもかけてあげたいけど
誰よりも覚めた、突き刺すような視線が痛い
テーブルを挟んで座る
手を付けないままのサラダとフォーク
言いたくないなら何も言わなくていい

どんな未来が欲しいか? どんな幸せをあげたいか?
まだ固まってないうちに、同じ人間なんだから
私も昔の自分を思い出そうとしてる
話せるうちに、話したい事、話しておこう
こうして言葉じゃなくていいから

沓掛の小道で小さな手を握り締めた
私たちは此処で生まれ、そして出会ってしまったんだから

何もかも終わらせてしまえたら簡単
でもそれが一番難しい
壊れないように壊さないように
育て上げる程
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