その夜見た夢のなかでは/
こたきひろし
その夜見た夢のなかでは
私は終始眠っていた
死んだように
眠っていた
もしかしたら
眠るように
死んでいたのかも
知れない
ベッドはいつの間にか
凍結していて
私は気持ちよく
死んでいたのかも
知れない
そして夢の中では
もう一人の私が
眠り続けているとも
死んでいるとも
著しく判別のつかない私を
じっと上から見下ろしていた
じっと
冷たいさめた
眼で見下ろして
いたのかも
しれない
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