スパゲティのための試論/道草次郎
 
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まず、赤いフタの大きなアルミ鍋に七分目まで水を入れ、中火と強火の間ぐらいの火加減で湯を沸かす。五分ほどすると、プツプツした細かい気泡が上昇し始め、水の表面が微かなプルプルに満たされるようになる。やがて気泡の動きは激しくなり、乱暴なマグマのように盛り上がった気泡は表面において次々と弾け始める。沸点に達した瞬間だ。グツグツ。

スパゲティを一掴みわしづかみにし、円を描くように鍋の縁に寝かせる。少しするとスパゲティの下部が軟らかくなるので菜箸で掻きまぜる。スパゲティ全体が湯の中に収まるようにしてやるのだ。茹で時間は8分。途中何回か菜箸にて攪拌を行う。タイマー音とともに火を消し、トングを使い
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