叛逆/道草次郎
ンモナイトは神秘な次元へ沈んでいった。残されたのは、廃屋。それが俺たちであり、俺たちは、挙って酸欠の猿だ。
俺たちは往かねばならない、ソコから。
赤く爛れたあの太陽の一番醜い黒点の中、そのいっとう素晴らしい真鍮製の虚無に向かって。例えばモナドの双頭の鷲は、インディゴブルーの空で嗤うだろう。或いはシリウスの珪素生命体は、百万年を掛けて悪態をつくだろう。
しかし、しかし、俺たちはやらねばらない。
俺たちは、俺たちの悪徳は永遠でなければならない。業火と猛毒で磨き上げねばならないのだ。全ての幸い、全ての死んだ瞳のため。何よりも、あの、黄昏れゆく天上の純潔のために!
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