今日からは道の駅には寄らない/山人
 
冬だった。最後の一滴の缶コーヒーの液体を喉に落とすと、時計は七時半を指した。
 昨日の営業最終日は、人員不足につき、別なペアリフトの山頂番勤務を命ぜられ単独勤務となった。みぞれ交じりの天気で、客の入りは少ないと思われたが、予想通りの入込だった。混み合う日は、頻繁に表に出て、客のレベルに合わせ減速をしたり、転倒した客は事故防止のため速やかに非常停止ボタンを押したりと、殺伐とした忙しさであるが、昨日の最終日は客足も極めて少なく、ほぼ山頂小屋に入り浸りで過ごした。
 私より年配の男性が、一生懸命不整地の練習を繰り返す一方、スキーに嵌り始めたと思われる若者もそこに身を投じトライしていた。これから、まだ
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