ついーと小詩集4/道草次郎
 
来る
コロコロしている
とても可愛い
この可愛さを伝える術は詩にあるんだろうか
映像やイラストや音源によらず
それを伝えるにはどうすればいいのか
ぼくにはそれができそうにない
そのことが
途轍もなくかなしい


「鈍感な者が詩を書く」

吉野弘さんがどこかで
もっとも鈍感な者が詩を書くと言っていた
15の時はふーんと思ったが
いまは身にしむよ
その時見た吉野さんの近影
まるで近所のおじさんみたいだった
歯、抜けてた
『神曲』についての試論みたいなものは読み飛ばしたけど
吉野さんみたいな詩人
やっぱり
居ないとすこし寂しいな

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