トーンもパルスも知ったことではない果ての。/六一介
 
 
 つないでいく
 
 電話線の向こうで 

 いったいなにが

 正しいの

 と女は とい

 そのおくにひそむ感情を いやらしい

 と おもうのだけれどおさなきのように

 女はただ

 がむしゃらに

 むじゃきに

 「正」をほっしている狡猾さ

 なのだけれどその

 身を蛹からひきはがして

 いこうともがいている

 すがた が

 おろしたての剃刀の

 鮮烈さ  で

 朝日をさいて ゆく

 新芽のよう

 に やらかな曲線を えがき

 地平を照らし  


戻る   Point(0)