ついーと小詩集3/道草次郎
「歳差運動」
鳩時計が深夜の零時を回る
蟋蟀が
地球の内耳で
求愛している
着実に
七百分の一歳年を取る
さて
もう一度約分のおさらいから
(ペンを執る)
天球のどこかで
星の
ズレる音
「高原レタス丸かじり」
全部
なくしてしまった
くやめるほど
それは
確かじゃなかったけど
代わりに
空っぽの青空が
一つ
贈られて来た
なんだか
可笑しくて
高原レタス丸かじり
しちゃった
「自己紹介」
ぼくは自動販売機
コインを入れても知らぬフリ
ぼくは神社の賽銭箱
小銭を集めて
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