人魚のリボン/鳴神夭花
やわらかな求肥みたいなことばにくるんでみせたって
きみが最悪なことには変わりがないよ
僕のことを思ってるって、
それはきみのことを思っているの間違いだろう
そんな使い古された手をまだ使うの
僕は信じがたいよ
海にかえって
言葉もうしなって
僕らはそういういきものだった
きみはそれを忘れてしまった
それでも、
良かったけれど
同じ白いリボンを
先に捨てたのはきみでしょう
なら僕は
きみのそれを拾ってやることなんてしなくて良いよね
賞味期限の切れたきみが
海にもかえれずに
言葉もうしなえずに
ただ脚が痛いまま
ナイフも持てないで
蹲ることも許されないで踊り続けるのを
僕はきっと
海で忘れるよ
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