風の吹く午後/
服部 剛
あなたの形見のランプは、魂の姿に似て
夜になると書斎の椅子に腰かける
僕の仕事を照らし出す
* * *
あの日
この世の時間と空間を離れ
自らのからだを脱いだあなたは
明日も
何処かを吹き渡る風の歌になり
うつむく人の傍らで、そっと囁く
* * *
そう想いながら
土曜の午後の川沿いを
ゆっくり・・・走っていると
公園で女の子のストローから、生まれた
大きなしゃぼん玉が目の前に
近づいて ぱっ と消えた
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