幻想平原/道草次郎
 
まるで上のが落ちて来そう、
星も一緒にです。
それを享(う)けるのは、
蟋蟀(こおろぎ)のしょっかくに触れる惑星大のくさ。

いちめんの叢(くさむら)は、
イカ釣り漁船の眩しさ。

もう、
なんでもないものが、
かえって砕けた玻璃(がらす)なのです。
それから、
声は臼で挽いた風景画です。

みんな星なのでした。

淡水魚や山羊の角は、
だからあんなに、
夜の耀(ひかり)にきらきらとなだれてゆくのでしょう。


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