鈴の音/
服部 剛
川の向こう側にある
瓦屋根の
民家の壁に、ひとつ
白いマークがありました
それは鈴の姿をしており
風が吹くと
小さな余白の中から
音のない音が聴こえます
ちりりん ちりりん
十人十色の人々が
主役・悪役・脇役を演じる、この街で
何かを知らせるように
?風の合図?は吹き過ぎて
今日もそっと
白い鈴は鳴りいだす
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