断章/新染因循
トルソの夕焼けに
切断された四肢の休息を
みるものはない
石理から拭きとられた水も
砂漠をこえ ひとをこえ
高低をのみほしてきた
砂時計はアシンメトリーである
あらゆる風と雲の断裂も、
だが どこかに きみのすがたは在る
ときおり 子午線をひいて
ひとはみな美しいとたたえる
そうして言葉は整えられる
白旗めいたインクのかすみが
てにをはを綴りはじめる
墓という墓に名が刻まれるよう
かさかさ枯葉はがなりたて
方法という方法のうらぶれる 夕焼けに
わたし は静かに嘲笑する
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