自殺衝動/にょすけ
。ぐるぐると廻るだけの
太陽を、私たちは自らの恋とか、愛にたとえて
感傷に耽りたいだけなんだ。沈まないで、夕陽
死なないで、わたし。この鼓動すべき私はもう
潮のようにとけて、あぶくになっていく。ああ
そうして私はこの恋が何番目なのか数えるのだ
【炬燵】
あ、
その
一声で
窓が揺れ
冬の風とて
入り込む隙間
びゅおうと鳴り
君と目を合わすと
ただ微笑む、きみの
何もかもが愛おしいと
冷めた珈琲がそれを告げ
何度も舌を絡ませながらも
その指はどこにも絡むことも
触れることもなくがらんどうの
僕の心だけ
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