白川夜船/あらい
まわる。
螺旋のていでモビールのさまで、
回帰する 転落してしまう。
そして
あゝ崩れ去る
(万華鏡の儀 彼岸花の葬)
なだれ込まれたら 受け止めきれない
張りぼての壁面に無造作に焼き付いた
未完彩《ミカンイロ》の滲みは点在し 気のせいではないけれど、
あたり障りなく仄かに紛れ込み 暖かく湿っている
漆喰の凹凸のように、肌膚《はだえ》に馴染んでいきました。
私が透けていくさまを知ら占めたのは、もうずっと
過去の事でしたか。それとも先の話でしょうか
それは恐ろしくはない。だけど好きでもなかった。
まあるいたまごに罅が、
やや舌を出し入れ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)