無題/空丸
 

死体から死が遠ざかる
にわか雨

  *

見上げても答えはない
だから空があるのだろう
庭先では
雨があがったようだ

  *

波が粒になり
余韻が薄化粧して 時の
奥へ奥へと誘う
発見された涙の化石

  *

朝を迎え
未知も既知も溜息のように吐き出し
標識を作る

  *

宇宙がどのようになっているかいつか科学は突き止めるだろう
宇宙がなぜ在るのか誰も永遠に分からないだろう

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