ワールド・イズ・ユアーズ/星染
 
本当は10文字あれば全部伝えられることも、わたしたちは何百倍も何千倍にも引き延ばして、そうしてそれが密度の高い透明な刃物になるんだと、伝えるということは傷をつけるということだと 言ったね 胸に受けた切り傷が流す血液に似た感情を、掬って舐めて、喉をならして飲み込んで笑っていた
都合のいい子供になって、百年よりおおくは生きていけないと決まっている星の上で、永遠に舟の模型の中で眠っていよう わたしたちは、誰も触れられない瓶の中にいる 抱きしめたとき、背に食い込んで皮膚を掻く爪の痛み、震える指の先の、消えない痕 理由のない大災害と同じように、わたしたちは恋をする
からだの拍動が波の寄せ返すリズムに等し
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