春の会話/田中修子
……おいで……、……オイデ……たたたたたっ、
ざ……オイデ、……おいで……、
だれ、
そうして目を、覚ました、厭わしい、あんなにハラリと逝くことができたのに。
よく仲間としゃべってた。
(死ぬのにも、一苦労というあの生き物たちは悲しいね)(とてもたくさんの不満を抱えながら、それを身の内に毒としながら、やがて侵され病となり)(ほら、朝方から内臓がぐちゃぐちゃで)(その前から左の枝から赤い樹液が止まらなかったわよ)数日が経った(あら、結局あの生き物とよく一緒にいた生き物も左枝から樹液を垂れ流しては、踏切に毎日たたずんでいる)(私たちはよかった。あら、順番が来たわ、さような
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