悶絶句/a i
 
もはや、苦々しい毒薬を飲むような、痛みもなくなっていた。たった1本2〜3mの縄が、この世の一切の苦しみから救ってくれる。これ以上の薬があるだろうか。なのになにが悲しくて涙を流すんだろう。大好きな音楽を聴いていれば、なにもこわくなかった。

この世でいう「薬」が、この体には「毒薬」に変わった。私にとっての「当たり前」が、世界にとっての「非常識」だった。なんて生きづらい世の中だろう。なんて息がしづらい世の中だろう。喘ぐように、もがいている。

絶望がないと生きていけない。絶望という味がないと、渇きを潤せない。生きてることを実感できない。痛みがないと、生きてる幸せを実感できない。痛くてもいいから
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