さいはて/星染
 
はやく、はやくはやくはやくと毎日おもっています、ひらがなだろうとカタカナだろうと、なにをどのように言葉にしようとも、すべてが無駄で、すべてが今までに一度誰かが言ったはずのことで、夜中に飲む低度数のお酒が全然美味しくないことも、それでもその吐き気が、眩暈が、熱が、いつか報いになって死ぬ前にみる走馬灯のひとつになるのだということも、忘れられない人についての散文詩も、すべて。それならばはやくすべてを終わりにして、すべてを言葉にして、すべてを、わたしたちのものにしよう。言葉をつかう人々の共犯で、世界は終わらせることができるはずです。

奇跡も大逆転もなかったけれど、わたしたちにはドラマチックな破滅があ
[次のページ]
戻る   Point(0)